投資をしている人にはおなじみの単語だと思いますが、GAFA(ガーファまたはガファ)と言う有名な企業群があります。
そのGAFAが何をして近代を作り変えたのかという書籍になります。
本書は400ページ以上あり非常に長いため要点だけに絞って簡単にまとめます。
まずGAFAとは企業の頭文字を取ったもので 「Google」「Apple」「Facebook」「Amazon」という現代社会を牛耳っている四つの巨大企業です。
彼等がどうしてここまで大きくなることが出来たのか、そして彼等が作り変えた世界で私たちはどのように生きていくべきなのかということが語られています。
ちなみにGAFAというのは日本でしか使われず、マイクロソフトも加えてGAFAMと記載されたりもします。
はじめに
最初にGAFAが成功したのには共通する8つの要素があります。
- 商品の差別化
- ビジョンへの投資
- 世界展開
- 好感度
- 垂直統合
- AI
- キャリアの箔付け
- 地の利
1つ目の差別化された製品に焦点を当てると、GAFAにはそれぞれ優れた製品があります。
Googleには優れた検索エンジンを、Appleはデザインの洗練されたiPhone、Facebookの整理されたフィード(ネットワーク効果)、 Amazonはワンクリックで注文すると、2日以内に製品が届くという体験と期待の形を変えました。
これは実態のあるイノベーションであり、製品差別化の核心です。これを実現させたのは安いしほんと技術イノベーションのおかげでした。
2つ目のビジョンへの投資というところは、基本的にアメリカの成長企業は自社の成長に投資しています。
投資によって安い資本を集めるという目的もありますが、ビジョンへの投資の強みが競争上の強みになります。
じっくりと資産を増やしてより多くのイノベーションに対して、多くの資産をつぎ込めるからです。最終的に目に見える進捗を株主に示す必要がありますが、これは当然実行されており過大なほどの評価という報酬が与えられていますね。
6つ目の AI というところに焦点を当てると 4 社とも膨大な数の顧客のデータを集積しています。この目的は当然商品をたくさん売ることです。
やろうと思えば365日全てのお店と全ての客の買いパターンを分析し割引や在庫の変更レイアウトの反映が行えます。システムで見れば自動反映する技術を組み込んでいるものも増えました。(Netflixで使われていた次回エピソードの自動再生などは他でも真似されています)
成長戦略について
個人的に面白いと思った点を切り出すと、猛烈なスピードで価値を生み出し発展した大企業というのはルール違反をしていることが多いということです。
盗みは成長スピードが速いテック企業のコア・コンピタンスである。と言われるほど認識されており、Tシャツを着たプロメテウスとみまされています。
歴史的に見ても法よりもイノベーションを優先している傾向にあり、会社や政府を騙して助成金を引き出したり、知的財産を侵害しているパターンも多々あります。
これはGAFAも例外ではなく、例えばFacebookがワッツアップという企業の買収を目指している時、短期的に2社のデータを共有する事は出来ないとEUの監督機関に確約しました。
これによりプライバシーに関する懸念は和らいだのですが、Facebookはデータが素早く共有出来ることを知っていました。
これに対して嘘をつかれたと感じたEUが1億1000万ユーロの罰金を貸していた事があります。
一番分かりやすいところで言えばAmazonは現在も日本で税金を払っていませんよね。
また技術の登場が企業の発展に大きな役割を果たします。
例えばアップルはタッチスクリーンや省電力チップなどは他の会社から買ったりライセンスを受けたりしたものです。
なんでもかんでも自分たちで一から作り出してるわけではなく、他社が開発している技術にいち早く目をつけてその他社の技術っていうのをどこよりも甘く最大限に利用する。
それが抜群にうまかったのがあのスティーブ・ジョブスです。
つまり他の人には見えない価値を技術の中に見出し、他の人には引き出せない価値を引き出しています。
必要とあらばどんな手段を使ってでもやり遂げてきたということです。
本書の主題
著者はGAFA登場前後で世界を分けており、GAFAについて学ぶことは現代人の必修科目だとした上で次のように語っています。
「大まかに言ってしまうと現在は超優秀な人間にとっては最高の時代だ、しかし平凡な人間にとっては最悪である。そしてその行き着く先は少数の支配者と多数の濃度が生きる世界なのである。」
グローバル化したが最後の世界では超優秀な人材のチャンスが増える一方で、凡人は苦戦を強いられることになるといいます。
これはAmazonの台頭で見つけにくかった希少本が注目されるようになり需要が増加したことの比喩が使われています。
GAFAのデジタル化によって世界がひとつの大きな市場となって来ています。
つまり企業が世界中を見渡して超優秀な人材というのを発見して、彼らにオファーを出すということが圧倒的にしやすくなりました。
今までならの日本市場は日本の市場、アメリカ市場ならアメリカの市場、みたいな感じでそれなりに各国それぞれの市場がありましたが、そうではなくなりつつあります。
世界は言語の壁というのを乗り越えて完全に一つの市場になりつつあると言います。
そもそも世界共通言語は英語で、国を問わず海外の大学の卒業者は英語を話せるのが普通です。
業種にもよりますが、今までは日本人は日本市場だけを相手にすれば良かったかも知れませんが、(国益的には本当は良くない)日本人よりも高度なスキルやロジカルな思考や経営能力を持っている外国人と競わないといけません。
そんな中で持っておくべきものは何かと言うと好奇心だと言います。
デジタル時代っていうのはとにかく変化が早いです。
日々新しい変化が起きています。その中で古いやり方に固執せずに常に新しいアイデアを考え続けることが大事です。
どんな変化が起きているかということに興味を持って好奇心をもって常に敏感である必要があります。
また自分をアピールするメディアを持つことが強いと言います自分の素晴らしさを宣伝することが必要だということです。
質の高い仕事をしていれば誰かが見てくれるはずと思う人は多いかもしれません。
しかし実際にはいい仕事をしていてもそれを自分のものであると宣伝しなければ正当な報酬は得られません。
Instagram や YouTube スピーチ本、誰かと一緒に食事をするなど何かしら自分を宣伝するための戦略を持つべきだと本書では述べられています。
現在は SNS があるために宣伝自体はしやすいと言います。しかしそこで目立つためには激しい競争を勝ち抜く必要があります。
文章や映像表現など自分が得意な分野に投資をし、創意工夫しながらアピールしなければなりません。
まとめ
GAFAによって世界はひとつの大きな市場になりつつあります。
そんな中で日々起こっている変化に好奇心を持ち、自分を主張するメディアを持つことが重要なんだということでした。
今後の時代では自分の専門分野はこれですと自信を持って言えるかどうかと、主戦場となる専門性以外に専門的にニッチな分野も捉えていくことが大事だと思います。
複数の専門分野を持てばそれを掛け合わせることで市場価値が上がる可能性があり、効率よくニッチなところでのエキスパートになれるということの重要さがわかるはずです。
本書はページ数が多く一部しか記載していないので気になる方は是非読んでみてください。